コルニッシュ・ドール

コート・ダジュールの海岸線を通る国道98号線の中で、サン・ラファエルマンドリュー=ラ・ナプールを結ぶ全長約35kmの断崖道路をコルニッシュ・ドールを呼びます。赤斑岩から成るレステレル山塊と地中海の間に幅3mの道路が1903年に作られたのが始まりです。道路建設にあたり、TCF(Tourning Club de France)と呼ばれる観光開発を目的としたアソシエーションとパリ・リヨン地中海鉄道が積極的に計画を進めました。

19世紀末期は、ヨーロッパの貴族たちがニースやカンヌに別荘を建て、避寒地としてコート・ダジュールが栄えていたころです。しかし、レステレル山塊には全く手つかずの自然が残っていました。さらに、赤い岩肌と真っ青な海が創り出す景色は他で見ることができないものです。西日が岩山に当たるころ赤と青のコントラストは格別の美しさを見せます。サン・ラファエルを起点にマンドリュー=ラ・ナプールへとコルニッシュ・ドールを夕暮れ時に進むのがお薦めです。海沿いの別荘地帯を抜けると、道路の右手には真っ青な海が広がります。小さな入り江やビーチを眺めながら、Agayを通過すると、雄大な景色が目前に迫ってきます。標高452mのPic du Cap Rouxにさしかかるころには、ドライブはクライマックスを迎えます。切り立つ岩山と眼下に広がる深い海に感動を覚えずにはいられません。