絶景のコート・ブルーを歩く

マルセイユのサン・シャルル駅からローカル電車に揺られること約15分。L'Estaque駅を過ぎる頃からハイキング気分が盛り上がります。車窓からの眺めは真っ青な海と空が遠くに接する水平線。赤い瓦屋根に変わり、緑の松が白い岩山にくっきり浮かび上がります。休日の車内はハイキングに出かけるマルセイユっ子たちで賑わいます。

白い岩山の上を縫うように走る電車はトンネルを出たと思えば、石造アーチ橋を通過し、光り輝く海の景色には目を奪われんばかりです。それもつかの間、電車は再びトンネルへ入ります。まるで、一瞬のうちに入れ替わるスライド写真を見ているかのようです。

コート・ブルーで一番美しい海岸線のハイキングコースはLa Redonne駅からNiolon駅まで約7km、所要時間4時間。波打ち際を通ったり、白い岩山の崖っぷちを歩いたりと変化に富んでいます。砂浜も近いので一泳ぎすることもできます。マルセイユへ戻るNiolon駅発の電車(17時04分)に合わせて一日のハイキングをゆっくり楽しめます。

La Redonne駅で下車した後は道沿いに港まで下り、急な坂を登りLes Figuières(黄色の標識あり)へ向かいます。海が見下ろせる住宅地帯の下を通り、まずAnthenorsの入り江に到着。流木や小石に足元をすくわれながら、波打ち際でしばし休憩。さらに、ハイキングコースは低潅木の繁る斜面から崖っぷちの道へと続きます。歩くこと約1時間、体も温まり筋肉もほぐれ、歩調は独りでに速まります。その後はLes Figuièresの入り江へと下ります。そして、Petit Méjeanの集落とGrand Méjeanの港を通過。この時、ハイキングコースはしばらく一般道路と重なりますが、Grand MéjeanからNiolonまで海岸線に沿った本格的なハイキングコースが始まります。起伏に富んだ地形に加え、入り江が多いので、つづら折の道が続きます。足腰の筋肉がかなり鍛えられることは確かです。潮風に吹かれながら、頭からつま先までリフレッシュ。波と風が浸食した白い岩山、そこにどっしり根を下ろす巨木。しばし、大自然の中にわが身を置くと、まるで文明の利器から解放されたような気になります。そんな感傷的な心を癒しながら、Niolon駅からマルセイユへ向かう車中の旅でハイキングの一日が終わります。


楽しいハイキングのアドバイス:南仏の夏は日差しが強いので、サングラス、日焼け止めクリーム、帽子は必需品です。もちろん足元の準備もおこたりなく。ハイキングの服装で、充分な量の水を持ってハイキングに出かけましょう。ミストラルの吹く日は、風にあおられないよう、悪天候には充分気をつけましょう。なお、コート・ブルーの電車については、ブログ「電車で訪ねるコート・ブルー」をご覧ください。